一週間の屋外活動で、近視進行予防につながる可能性
子どもの目は、短い期間の過ごし方でも変わるかもしれません。
日本の学童を対象にした研究で、1週間ほど集中的に屋外で活動すると、近視の進行を抑える方向の変化が目の中に見られたことが報告されました。視力や近視が改善したわけではありませんが、目の奥では良い変化が起きていた可能性が示唆されました。
1週間の屋外活動で、子どもの目の変化を測定
夏休みのキャンプで、子どもたちの目にどんな変化が起こるかを調べました。
この研究は、日本の学童24人を対象に行われた前向き観察研究です。子どもたちは夏休みに群馬県のキャンプに参加し、登山や屋外での調理などを含むプログラムの中で、1週間にわたって1日平均約6時間を屋外で過ごしました。研究では、キャンプの最初と最後に、近視進行に関わる検査を行い、屋外活動によって目にどのような変化が生じるかを調べました。

近視と関わる目の奥の組織 “脈絡脈”に注目!
目の奥にある「脈絡膜」は、近視との関わりが注目されている組織です。
脈絡膜(みゃくらくまく)は、目の奥にある、たくさんの血管を含んだ膜です。光を感じる「網膜」のすぐ後ろにあり、網膜に酸素や栄養を届ける大切な役割をしています。たとえるなら、目がカメラだとすると、脈絡膜はカメラの大事な部分を下から支える、やわらかい土台のような存在です。近年、この脈絡膜が薄くなることが、近視の進行と関係しているのではないかと考えられており、近視研究の中でも注目されています。
わずか1週間で、脈絡膜の厚みに変化!
研究の結果、子どもたちの脈絡膜の厚みは平均で30.7μm増加しました。これは統計学的にも意味のある変化でした。一方で、近視の度数や眼軸長には、わずかに良い方向への変化はあったものの、はっきりした差があるとは言えませんでした。つまり、たった1週間では近視そのものが大きく変わったわけではないが、目の奥には先に良い変化が表れたと考えられます。

GWなどを子どもの屋外活動を増やす機会に!
近視は、眼球が前後に伸びること(眼軸長の伸長)によって進みやすくなると考えられています。これまでの研究では、脈絡膜が薄くなることが、近視の進行と関係するとされてきました。今回の研究結果は、短期間の集中的な屋外活動であっても、目の中にポジティブな影響が生じる可能性が示されました。日常的に屋外活動が少なくなりがちな子どもたちにも、GWなどをきっかけに、少しでも外で過ごす時間をつくっていただきたいと思います。
参照論文:BMC Ophthalmol. 2025 May 20;25(1):300.
